遺伝子組み換えトウモロコシを食べたマウス5~8割に巨大腫瘍発生
昨年の9月極めて重大なニュースがAFP通信などから、世界中へ発信されていました。おそらく、日本のマスコミではほとんど取り上げられていないと思います。
フランス、カーン大学が行った、モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシを使った実験結果です。
遺伝子組み換えの危険性を示す衝撃的な結果です。
下の写真は、フランスのNGO「遺伝子操作に関する独立情報研究機関」(CRIIGEN)が公表した、米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)製の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを餌として与えられ、がんを発生したマウス(撮影日不明)。)(c)AFP/CRIIGEN

実験は、2年間という、これまでにない長期に亘る遺伝子組み換え食物の接種をマウスを使って行いました。
その結果、なんとマウスのメスの50~80%に腫瘍が発見されたということです。
これまでも、遺伝子組み換えの危険性を示す実験結果は出てきていますが、2年間という長期間に亘る影響を調べた実験は初めてではないでしょうか。
メキシコなどは、トウモロコシを主食にしていて、かつてはトウモロコシを100%自給していたのですが、1991年に米国、カナダと北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでから、米国から安いトウモロコシが入ってきて、2009年頃には、自給率は6割台になってしまい、3割以上を米国から輸入しています。
毎日のようにトウモロコシを食べているはずなので、健康被害が懸念されます。
大豆にいたっては、9割が米国からの輸入になってしまったようです。
これも大半が遺伝子組み換えされたものです。NAFTA締結後、300万人以上の農民が職を失ったと言われています。
メキシコで現在起こっている悲劇は、TPP参加で揺れる日本にとっても対岸の火事では済まされない問題です。
日本人の食卓にも大量に入り込む遺伝子組み換え食品
すでに、日本にも多くの食品に遺伝子組み換え食品が入り込んできています。
遺伝子組換えトウモロコシは、日本では、現在、スーパーなどで一般的に市販されている食品に含まれる、植物性油脂、異性化液糖、アルコール、香料、デンプン、果糖などの原料として日本国内で流通しています。
これらは、表示義務はありません。
日本は世界最大のトウモロコシ輸入国であり、その量は2008年度で約1650万トンで、これは日本の米の年間生産量の約2倍。
その全輸入量の99%、約1630万トンをアメリカに依存。
その内の8割、約1300万トンが、遺伝子組み換えトウモロコシです。
日本国内で消費される75%は家畜の飼料用として、一部が澱粉や油脂原料として加工されています。
「スイートコーン」と呼ばれ、一般的に小売され家庭や飲食店で消費されるものは、年間国内生産量25トン位で、これに対し輸入量は2000トン前後で、こちらの自給率は90%以上です。
ただ、これもTPPで輸入が自由化されるとどうなるか分かりません。
日本人一人当り毎年約10kgの異性化液糖を接種
この遺伝子組み換えトウモロコシが入っている可能性が高い食品として、異性化液糖があります。「ぶどう糖果糖液糖」又は「果糖ぶどう糖液糖」等、或いは単に「ぶどう糖」と表示されています。
異性化液糖とは、ぶどう糖の一部を果糖に転換(異性化)したもので、砂糖液と同程度の甘味度があり、原料の90%が遺伝子組み換えのアメリカ産トウモロコシで作るコーンスターチが原料で、残り10%弱は国産のジャガイモデンプンとさつまいもデンプンとのことです。
年間100万トン以上が消費されていて、国民一人当り毎年約10kgの異性化液糖を採っていることになります。
アイスクリームに結構含まれています。また、麺つゆやだし醤油には、かなり入っています。
他には、コーラ、発酵乳酸飲料、フルーツジュース、清涼飲料、ポン酢などの調味料、ドレッシング、パン、ケーキ、缶詰、漬物、スポーツドリンク、酒類、チューインガム、ジャム、佃煮、練製品、粉末製品など様々なところに使われています。
どのようなものに遺伝子組み換え食品が使われているか、詳しくは、遺伝子組み換え原料入り食品メーカーランキングをご覧ください。
遺伝子組み換え作物由来の有毒物質が、妊婦を通して胎児にも移行
また、ネット上で、日本のマスコミでは報道されない「遺伝子組み換え作物の健康被害」と題した記事も出ていたので、以下、抜粋転載させて頂きます。
これまで遺伝子組み換え企業は、遺伝子組み換え作物が作り出す殺虫性のタンパクなどの有毒成分は腸で破壊され、体外に排出されるので無害であると説明してきました。(渡辺注:日本の農林水産省などのHPにもその様に記載されています。)
しかし、妊娠した女性の93%、80%の胎児からこの有毒成分(Cry1Ab)が検出されたという調査結果が2011年にカナダで発表されたのです。
この毒素は遺伝子組み換えトウモロコシを飼料とした家畜の肉や牛乳、卵などを食べた結果と考えられ、遺伝子組み換え関連の有害物質が妊娠した女性、胎児、妊娠していない女性の血の中に存在していることをこの調査は初めて明らかにしたものです。
以上「遺伝子組み換え作物の健康被害」より抜粋転載
それでは、本題のマウスの実験結果を報道したAFP通信から以下転載させて頂きます。
【9月21日 AFP】フランス政府は19日、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシと発がんの関連性がマウス実験で示されたとして、保健衛生当局に調査を要請した。
欧州連合(EU)圏内での遺伝子組み換えトウモロコシ取引が一時的に停止される可能性も出ている。
農業、エコロジー、保健の各担当大臣らは、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)に対して、マウス実験で示された結果について調査するよう要請したと発表した。
3大臣は共同声明で「ANSESの見解によっては該当するトウモロコシの欧州への輸入の緊急停止をも含め、人間および動物の健康を守るために必要なあらゆる措置をとるよう、仏政府からEU当局に要請する」と述べた。
仏ノルマンディー(Normandy)にあるカーン大学(University of Caen)の研究チームが行ったマウス実験の結果、問題があると指摘されたのは米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)製の遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」系統。
同社の除草剤「ラウンドアップ」に対する耐性を持たせるために遺伝子が操作されている。
仏専門誌「Food and Chemical Toxicology(食品と化学毒性の意)」で発表された論文によると、マウス200匹を用いて行われた実験で、トウモロコシ「NK603」を食べる、もしくは除草剤「ラウンドアップ」と接触したマウスのグループに腫瘍を確認した。
2年間(通常のマウスの寿命に相当)という期間にわたって行われた実験は今回がはじめてという。
がんの発生はメスに多く確認された。
開始から14か月目、非GMのエサが与えられ、またラウンドアップ非接触のマウス(対照群)では確認されなかったがんの発生が、一方の実験群のメスのマウスでは10~30%で確認された。
さらに24か月目では、対照群でのがん発生率は30%にとどまっていたのに対し、実験群のメスでは50~80%と高い発生率となった。
また実験群のメスでは早死も多かった。
一方オスでは、肝臓や皮膚に腫瘍(しゅよう)が発生し、また消化管での異常もみられた。
研究を率いた同大のジル・エリック・セラリーニ(Gilles-Eric Seralini)氏は「GM作物と除草剤による健康への長期的な影響が初めて、しかも政府や業界の調査よりも徹底的に調査された。この結果は警戒すべきものだ」と述べている。
取材に対し、モンサントの仏法人は「このたびの研究結果について現時点ではコメントはできない」と答えた。
欧州食品安全機関(European Food Safety Agency、EFSA)所属のGM作物に関する委員会は2009年、90日間のマウス実験に基づき、「NK603」は「従来のトウモロコシと同様に安全」との判断を下した。
現在、欧州への輸出は可能となっているが、域内での栽培は禁止されている。(c)AFP
(以上、AFP通信より転載終わり)
